八坂神社でお参りした後、円山公園に出た。
春には、白やピンクの花を身にまとっていた枝垂れ桜は深い緑の葉に覆われて、黒々と怪獣ののような。
春の優しさはなかった。
↓今年の春
強い日差しの下、桜の木の周りは陽を照り返し暑さを増していた。
暑いが、静かだった。
いつもならそれに輪をかけるように蝉の鳴き声が、暑さを倍増していた。
しかし、この日は蝉があまり鳴いていない。
ジリジリ照りつけて太陽、咽ぶような暑さの中、静かに時間が過ぎて行く。
蝉の声がなくても、限界に暑い。
蝉の声が止んだお盆過ぎの、閑静な暑さに照りつける日差し。
そう、夏の終わりの頃を思わせるような。
人影のほぼない枝垂れ桜のあたりから、知恩院へ向かった。
さすが、祇園祭とこの暑さ、境内は、なんとなくシ〜ンとしている。
人影はまばら。
男坂を一気に駆け上がると、息切れがして、長時間歩いた疲れが湧いてきたかな。
男坂を上がると、ちょっと前までは、御影堂を覆う無機質な白い簡易建物があったが、今はその天井部分が取り払われ、御影堂の屋根が見えた。
その大きさの片鱗を表し始めていた。
完成はまだ先。
御影堂の向かいにある阿弥陀堂に向かった。
上がる時、靴用の袋を手渡しで貸してくる。
その人に御影堂のことを聞いた。
外観は完成しても、内装は時間がかかるとのことだった。
一年ぐらいはかかかるとか。
落慶法要はオリンピックの年だ。
頭のてっぺんから流れ落ちる汗を拭きながら、阿弥陀堂に上がった。
中は畳敷きになっていて、入ると何人かが畳に座ってお参りをしていた。
自分も阿弥陀様が真正面に見えるところを選んで、しばらく、正座してお参り。
知恩院は他の寺社仏閣とは違いう。
畳に座ってゆっくり向かい合える。
自分にとって落ち着ける場所と思った。
他の寺院に行っても畳敷きのところはあるが、隅にテーブルがあってパンフレットが置いてあったり、売店があったりで、人は立ってうろうろしているので、落ち着かない。
今日の散歩の最後は知恩院と決め。
烏丸四条界隈で山鉾を見てから八坂神社をへて行った。
暑い中歩いたせいか、ちょっとバテ気味だった。
勢至堂や御廟まで上がるつもりだったが、その元気もなく、歩を駅に向けた。