五条坂を上がっていると途中の道路沿いに鳥居がある。
五条坂と五条遠(国道1号線)(2019年3月撮影)
五条坂は幾度となく上った。
京阪五条駅から五条坂を上がり、大谷本廟や賑やかな清水寺界隈を歩いて知恩院などへ歩くときに、この神社の前を何度も通った。
鳥居があるのは知っていた。
ついぞ、参拝しないで今に至っている。
天満宮がなければ、参拝することはなかったかもしれない。
陶器神社・若宮八幡宮
この神社は、陶祖神が祀られている。
主祭神 -応神天皇、仲哀天皇、神功皇后(八幡三神)
相殿神 - 仲恭天皇(左相殿)、椎根津彦大神(陶祖神、右相殿)
通り沿いの鳥居をくぐり、両側が駐車場になった石畳の参道を進むと、朱色の鳥居がある。
ここからが神域のような雰囲気が出てくる。
まっすぐ進み、階段を上がると本殿。
鏡(真実を映し出す鏡)
本殿前に向かって右には、なぜか鏡があった。
神社に鏡があるのを見たのは初めてだ。
鏡の横には「身も心も美しく」と書かれた札があった。
若宮八幡宮を検索すると検索結果に「美人祈願神社・・美容と安産」とあった。
お守りも売っている。
御祭神の神宮皇后は大変美しい神様であり子育ての神様でもあられます。
女性の憧れである美について、美しい神様にあやかれるよう特別に御祈願した美人御守をお頒ちしております。(若宮八幡宮ホームページより)
蓬莱石
本殿に向かって左、鏡の向かいあたりに「蓬莱石(ほうらいせき)」があった。
足利尊氏が、若宮の神を深く信仰しおり、病悩にかかったときにこの神社で祈願して病気が癒えて、祝して珍宝七種を堅持ったようだ。
その一つが、この蓬莱石ではないかとのこと。本殿片隅に埋まっていたのを最近ご神託により発見されたそうだ。
案内の看板には「六百五十年振りに世に出されたもので御神威新かな石である。」とあった。
しかし、650年とあるが、この神社がこの場所に移ってきたは1605年で420年ほど前だ。
若宮八幡宮本殿・由緒
本殿の横に、神社の由緒を書いた札があった。
この神社は、1058年源頼義が御冷泉天皇の勅を奉じて文武の神、治山治水、長寿の神として創建して「六条八幡」とも「左女井八幡」とも呼ばれた。
「左女井」という地名はこの地より西、堀川五条の南にある。
平安時代まで、五条通りまでが、市街地で、六条辺りは、源氏の邸宅が多くあったところのようだ。源氏の信仰が厚かったのだろう。足利尊氏も征夷大将軍いになる為に、源氏の末裔であることを示すためにも、源氏の信仰の厚かったこの神社を深く信仰したのかもしれない。
現在の位置に移ったのは、1605年ともあった。その前には秀吉の京都改造により東山に移っている。
蓬莱石は神社が遷る毎に一緒に移ってきてたのだろうか?現在の地に移るときに、本殿の片隅に埋まってしまったのだろうか?
縁結び家内安全の御神木
本殿への階段を上がったすぐ横に御神木があった。
高い木ではなく、横の木。
説明書きはよく読めなかったが、二本の木が一つになった木。それで、縁結びと言うことだろう。
縁結び以外にも家内安全の神様とも書かれていた。
縁結びは家内安全につながるということだろう。
前にはハート方の石があった。御神木の縁結びと関係あるのだろう。
クスノ木
御神木の横には、背の高い楠があった。こちらが御神木かと思うほど、背が高い木だった。木の横には「区民の誇り クスノ木と書かれた小さな札があった。
少し境内を散策
それほど広い境内ではないが、本殿の向かって右側は少しスペースがあった。
石の橋があった。
橋の下に堀があった。しかし、涸れているようだった。かつてはこの石橋を渡って、参拝できたのだろうか。橋の先には、本殿の門らしきものがあった。
若宮天満宮。
本殿のある敷地に上がる階段の手前本殿に向かって左側に、鳥居が並んでいた。一つは鳥居の奥に朱色の鳥居があったので、お稲荷様。もう一つが天満宮の鳥居だった。
牛の像もあった。
天満宮の周辺は神様が混在しておられた。上の写真の牛の像の後ろに見える白い札は、天満宮のものではなく、「鍾馗神社」があった。
鍾馗(しゅうきゅう)神社とは中国の民間伝承に伝わる道教の神様の事。
清水焼発祥の地
五条坂を歩いてみると、坂沿いにも陶器の店が多い。
五条坂を上がり、東大路通りを過ぎて少し上がるとちゃわん坂がある。
茶わん坂(2019年11月25日)
陶器神社(若宮八幡宮)は清水焼発祥地。
2019年3月に五条坂を上がっていると、埋蔵文化財発掘調査をしていた。
五条坂では、8月7日から10日までの陶器祭が開かれる。
神社前の五条坂には陶器市が行われ、陶器の店が坂沿いに並ぶのだろう。
見たことないが、テレビでその時の映像が流れていた。
ちょうど、時期は盂蘭盆、親族があつまる頃でもある。
この市では、使うのには支障がないが、ちょっと形などに問題がある陶器も安くで売られているようだ。
お盆で集まった親族用の食器を買いに来る人もいるようだ。
同じころ、五条通りの少し北にある六道珍皇寺では「精霊迎え」が行われる。
お盆の頃は、五条坂周辺は、お盆の風物詩を見ることができそうだ。
地図・アクセス
市バス:五条坂下車 西へ徒歩5分 京阪電車:五条駅下車 東へ徒歩10分