京都の井戸、京都の名水。西京極の防災看板から 

 

今年の5月、西京極を歩いていると大きな地図看板があった。

よく見ると防災マップ。災害の時に利用できる施設をマッピングしている。
その中で目を止めたのが「井戸」。防災井戸とあった。

今、京都市では、災害時の水を確保するために、協力していくれる井戸を募集している

この地図の「井戸」という文字に興味が惹かれた。
京都以外では、井戸という文字が実用的な意味でつかわれているのあまり見かない。

京都は今でも、実用性のあるインフラであるようだ。

それだけ、京都に井戸が多いということかもしれない。

京都の地下には、琵琶湖の水量に匹敵する水があるとか言われている。

しかし、京都水道は、99%が琵琶湖の水。

琵琶湖疏水から運ばれてきた水を使っている。

京都でその水を使う人は限られているのだろう。一般的には使われていないようだ。

防災用の井戸と使えるのであれば、まだ涸れていないということだろう。

そして、井戸水のかわりに、今の京都では、琵琶湖疏水は京都にとっては重要な水源だ。

琵琶湖疏水の水は、京都の町に張めぐされているといえるかもしれない。

琵琶湖疏水は、京都の生活の重要な糧であり、同時に、歴史の遺産であり、観光資産である。

明治によく、琵琶湖疏水を作り上げたものだと思う。

水路斯 南禅寺

 

水の都京都

京都の潤沢な地下水は、使われることなく、今も脈々と流れている。

大阪は地下水を汲みすぎて、地盤沈下が激しかった。

京都の選択は正解だった。

その京都の潤沢な地下水は、琵琶湖疏水ができるまでは、京都の人にとって需要な水資源だった。

京都の井戸の水は、生活だけでなく文化の発展にも大きく貢献したと思える。

京都は海から離れたところにあるが、京都は一種水の都と呼んでよいと思う。

西に桂川が流れ、東には鴨川が今も滔々と水が流れている。町の真ん中に堀川があった。江戸時代には、角倉了以が高瀬川や西高瀬川を開削した。これらの水の流れは、宇治川までつながり、水運に大きな役割を果たした。

西高瀬川


京都の井戸

京都には名水と呼ばれる井戸がいくつもあった。

重複している井戸もあるが、色々なグループがあったようだ。

・京の三名水

・都七名水

・御所三名水

・茶の湯都七名水

・茶の七名水

京の三名水

縣井(あがたい)

(御所三名水の一つ)

京都御所にある。昨年の年末に、京都御苑の駒札探しで歩いた。そのスポットの一つだった。
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左女牛井(さめがい)

(都七名水・茶の湯都七名水、茶の七名水の一つ)

第二次世界大戦中に堀川通りの拡幅にともない消滅した。あったところには、石碑が立っている。

源頼義の築いた源氏六条堀川邸内の井戸であったと伝えられている。千利休も使ったとか。

 

染井の水

(御所三名水の一つ)

京都御苑の東にある梨木神社にある。

今でも涸れず、多くの人が汲みに来ている。人気の水。

持ち帰り用のペットボトルも売っている。

ペットボトルに詰めて持ち帰ることができる。

境内には、この水を使ったカフェもある。
アイスコーヒーと買ったペットボトル。

 

都七名水

左女牛井(さめがい)

(京都三名水の一つ)

天之真名井

(茶の湯都七名水の一つ)

市比売神社にある。

この神社の主祭神が女神ばかりで、女性の守り神とされ、女性全ての願い事にご利益があり、特に「女人厄除け」の神として有名な神社。

以前、前を撮ったことがあるが、女性ばかりで、入ってのいいか躊躇した。

たぶそれでも、参拝したと思う。

 

滋野井(しげのい)

(お茶の七名水の一つ)

京都府庁の近くに、滋野井桁が元滋野中学校の前にある。現在は使われていない。

明治初めに埋められたとのこと。

しかし、近くに麩菓子の麩嘉が、同じ水源で元のより少し堀り、井戸を復活させた。

店の横で、水をくませてもらうことができる。

この井戸は「新・滋野井」と言っているようだ。

滋野井の井桁 蹴鞠の達人藤原成道(飛鳥井家の祖)邸宅跡

麩嘉。ここは本店で、工場がある。入り口に、少し座って食べさせてもらえるところがあるが、ここではあまり販売していないようだ。「ちょこっと京都に住んでみた」で木村文乃さんがここで、麩まんじゅうを食べていた。
自分も、この店に行くと、店先の同じところで食べさせてもらった。
井戸の水が出る所を確認せずに帰ってしまった。

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芹根水(せりねすい)

(茶の湯都七名水、お茶の七名水 の一つ)

 芹根水は,堀川通木津屋橋下るの堀川沿いに湧いた水で京の七名水の一つ。茶人や文人をはじめ人々に親しまれたが,のち堀川の水が流れ込み用をなさなくなった。

 

中川井

(茶の湯都七名水、お茶の七名水 の一つ)

かつては寺町二条にあったが、今は幡枝に移転、中川の井の石碑も移された。

 

古醒井

不詳

 

六孫王誕生水

(茶の湯都七名水、お茶の七名水 の一つ)

初代は新幹線の工事の時高架橋の下になり、二代目が同じ水脈から洞直されている。

 

その他の井戸

古井戸

使えなさそうだった。この井戸は涸れているのかもしれない。

地図

古井戸

菅原道真公産湯の井戸 

菅原天満宮神社

京都御苑烏丸鳥を挟んで西隣。丸太町交差点が近い。地図

菅原天満宮 菅原道真の産湯の井戸

冥途通いの井戸

有名な井戸といえば、六道珍皇寺に小野篁が閻魔庁に出仕するときに使った「冥途通いの井」がある。涸れているのかどうかはわからないが。有名な井戸だと思う。地図

冥途通いの井戸 六道珍皇寺

その他にも、

貴船

貴船は水がきれいところで有名だ。

貴船神社の「御神水らむね」

貴船御神水らむね

上賀茂神社

上賀茂神社では、賀茂川の水を使ったカフェがある。

上賀茂神社の裏にある神山の湧水を使っているようだ。

 神山湧水珈琲 “煎”

 

参照

京都百科事典「京の三名水

京都百科事典「京の七名水]

京都府芹根水