平安時代。
「治天の君」である後白河法皇が、自分の思い通りにならないもののたとえとして、
「鴨川の水に山法師、さい目」嘆いたようだ。
「治天の君」とは、一番偉い人の事。
隆盛を極めた平家の清盛も、後白河法皇に一目を置かざるを得なかった。
そんな、後白河法皇を煩わした鴨川の水は、相当ひどかったのだろう。
鴨川は別の意味でもいろんなものだが晒されたこともある。ちょっと悍ましいところでもあったが。
今は、人々の憩いの場になった。
この日は、暑くもなく雨も降らず、行楽には最適の季節になってきた。
鴨川へりでは、多くの人が、週末の午後をのんびりと過ごしていた。
青空の下の鴨川の風景は気に入っている。
比叡山が見えた。
丸太町橋
荒神橋
丸太町橋を過ぎると、
夷川の水門が見えてくる。この水門からずっとさかのぼると平安神宮の前、そして南禅寺前に至る。
このあたりから、鴨川の右岸に「みそそぎ川」が姿を現す。
鴨に夫婦かな。仲良く休んでいる。
二条大橋を過ぎると、高瀬川の取水場所がある。
みそそぎ川から取水している。
取水された水は、「がんこ高瀬川二条苑」の庭を通り、「一之舟入」に出る。
ここから高瀬川は始まる。そして、十条手前で、水は鴨川に戻る。
みそそぎ川の上には床が並ぶ
この川は、床のためもあって造られたとか。
この日は、三条大橋を過ぎて川を離れた。
京都に住んでいるのではないので、頻繁に鴨川には来れないが、こんな川が家の近くにあればいいなと思う。
最後に
よく鴨川沿いを歩く。
鴨川の風景は、
同じ京都を流れる大きな川の桂川とは対照的だ。
桂川は京都盆地の西端を流れる川。
鴨川は平安京のすぐ東を流れ、何かにつけ鴨川と関わって来た。
鴨川は歴史の舞台に登場する。悪いこともいいこともある。
そして、
鴨川は京都の人や観光客と距離が近く親しまれている。
行ったのは、10月最初の土曜日。
9月は、週末になると台風が上陸した利接近したりで天気が悪いことが多かった。
9月下旬ぐらいから、暑さも収まりかけ、過ごしやすくなってきた。
いい散歩日和だった。
京都の鴨川のある風景が、なんといっていいのか、他の街にはない、川と町の景色、川と人の関係がとても気に入っている。
※「治天の君」上皇。天皇の父や祖父など直系尊属であることが多く、天皇より力があった。
※延暦寺の山法師は、何かと神輿を担いで山を下り強訴してきた。上皇も天皇もこの強訴を無碍にできなかった。とても身勝手で強欲な印象を持っている。が、そんな延暦寺でも、法然上人、栄西禅師、親鸞聖人、道元禅師、日蓮聖人が修行した。日本の「日本仏教の母山」とも言われている。しかし、法然上人は、浄土宗人気に嫉妬した延暦寺から迫害を受けた。
延暦寺は世界遺産となり、延暦寺の人々は、一生懸命に修行に励まれている。千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)など。
個人的には、ゆっくりと泊りがけで行きたいところ。