新宮市の町の中から西の方にある山を見ると、山の中腹より上に、朱塗りの建物があるのが見える。
この建物が神倉神社。熊野三山の一つ速玉大社の元宮。
熊野夫須美大神は伊邪那美神とされる。もともとは近隣の神倉山の磐座に祀られていた神で、いつ頃からか現在地に祀られるようになったといわれる。神倉山にあった元宮に対して現在の社殿を新宮とも呼ぶ。 (ウィキペディア「速玉大社}より)
速玉大社や神倉神社があるのが「和歌山県新宮市」。
新宮市は、大阪からだと紀伊半島の最南端の串本町からさらに名古屋方面に一時間ほど電車に揺られて4時間程度で到着する。
名古屋からも同じぐらいかかる。
大阪からも名古屋からも遠い、自動車でも4時間はかかる。
電車で自動車も約4時間はかかる所にあるのが、新宮市。
毎年2月6日には、町の男が松明を持って急な参道を駆け下りる火祭り、御燈祭(おとうまつり、御灯祭、お灯祭とも)が行われる。本来は旧暦の正月に行われた祭。
この祭りで駆け降りるといわれる参道の階段はどんなものだろうか?、祭りの話を聞いたときから、どのようなところか見てみたいと思った。
大阪に帰る電車まで時間があったので、その神倉神社に参拝した。
参道入口に立って驚いた。思っていた以上に、急傾斜というだけではなくゴツゴツした不揃いの大きな石が階段状に段になっていた。
急勾配の鎌倉積み石段538段を登らなければならない。(ウィペディア「神倉神社」より)
足の置き場を考えながら、大きく足を上げ段を上ったり、石面が平らでないので、時々バランスを崩しそうになって、上の段に手をついたり、息を切らしながら上がった。
御燈祭ではこの参道を駆け下りるそうだ。
登っていると、降りてくる年配の女性が、ゴツゴツの不揃いの石段を身軽に降りてきているのとすれ違った。腰の少し曲がった感じだったが、ゴツゴツの石段をジグザグに段差の低いところを選んで、歩くように降りて来た。「おはようございます。」と声をかけれらた。息が切れてくるしそうなのを見て、急なのはこの辺りだけ、上はなだらかだと教えてくれた。
喘ぐように息を切らしながら参道を登った。階段や山登りは苦手だ。やめて途中で帰ろうかと思った。登って来た方を振り返ってみると、町の眺めが木々の枝を通して見えた。
神社からの眺望じ期待して最後まで行くことにした。
登ってきた参道に視線を下ろすと、先ほど降りていった年配の女性がまた登って来ていた。もう近くまで登って来ていた。「追い抜かれる?」とりあえず続けて登った。
なんとか、一番上の神社についた。山の中腹より上にあるだけあって眺望も良かった。
本殿はもう少し上にある。本殿まで上がり、お参りをして、振り返るとさらに見晴らしが良かった。
青空が広がり新宮の町が一望でき、さらに太平洋と水平線が望めた。
登ってよかった。
写真を撮っていると、先ほどの年配の女性も上がって来た。
「さっき降りたんでは?上がるの早いですね」と声をかけると。今日は2回目で。登るのは慣れればそれほどのことではない、ただ、降りる方が大変なので気をつけてと言われた。さらに、本殿に寄り添うようにある本殿より大きな岩(ゴトビキ岩)の向こうにもうひとつ岩があり、岩と岩の隙間に本体があると教えてくれた。そこまで下にある岩を登ればいけると教えてくれた。
降りる時は、慎重に石を選んで降りた。10分近くかかった。途中登る人とすれ違った。観光客だろうと思う人が多かった。そこそこ年配の人もいた。誰もが、ちょっとこの参道には驚いた印象を持っているような感じだった。この参道を御燈祭で、早い人は3分程度で降りてくると、駅に向かうタクシーに運転手さんから聞いた。
Googleマップで調べると、神倉神社へはJR新宮駅から歩くと20分程度。
タクシーだと新宮駅からワンメーター600円。帰りもタクシーにするなら、電話で迎えに来てもらった方が良い。